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(1月31日更新)
高尾山の1月は、晴れた日の多い一月でした。雨の日(降水
量10mm以上/1日)は無く、月雨量は0.5mmでした。例年
この時期は雨が少ないですが、1月の平年値に比べ著しく少な
い雨量でした。気温は中旬には暖かい日がありましたが、それ
以後は徐々に下がってきました。このような気象条件のもと植
物では色鮮やかな実などをつけた草や樹木などがまだ見られ、
わずかながら樹の花などが見られました。また鳥類では採餌行
動などが見られ、哺乳類についてはフィールドサインなどが確認
されました。
植物では、色鮮やかな実や種子などをつけた草としてジャノヒ
ゲ、ノササゲなどが見られ、色鮮やかな実や種子などをつけた
樹木ではイイギリ、ウラジロノキ、ゴンズイ、ヤブコウジ、ミヤマシ
キミ、ガマズミ、テイカカズラなどが見られました。またヤブツバ
キ、アセビなどが花をつけてきました。
鳥類では、リュウキュウサンショウクイ、ウソ、ヤマガラなどの採
餌行動などが確認されました。
哺乳類では、テンの糞、ムササビの食痕などが見られました。
・鳥類(主なもの)
| 留鳥 | ヤマガラ、シジュウカラ、ヒガラ、エナガ、メジロ、コゲラ、アオゲラ、アカゲラ、ウグイス、カケス、セグロセキレイ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、キジバト、ハシブトガラスなど |
| 冬鳥 | ウソ、ゴジュウカラ、ジョウビタキ、ミソサザイ、ルリビタキ、シロハラなど |
| 分布を広げいる鳥? | リュウキュウサンショウクイなど |
| かごぬけしたり、放鳥されたものが野生化した鳥 | ガビチョウ、ソウシチョウ、コジュケイなど |
1月は、小鳥にとって食べ物の減ってくる季節であり、小鳥には厳
しいですが、動きが大胆になるのか見やすくなります。リュウキュウ
サンショウクイ、ウソ、ヤマガラなどの採餌行動が時折見られました。
リュウキュウサンショウクイの採餌行動が上旬に見られました。稜
線近くで混群(食べ物が得にくい冬などにエナガ、メジロ、カラ類など
からなる集団をつくり、まとまって行動すること)に混じっていましたが
、リュウキュウサンショウクイ1羽が枝上にとまり、くちばしに挟んで
いたやや大きめの実(おそらくウラジロノキの実と思われます)を飲み
込みました。リュウキュウサンショウクイについては詳しい食べ物は
分かっていませんが、類似種の夏鳥であるサンショウクイなどは虫食
い行動が知られていますが、1年中高尾山にいる?リュウキュウサン
ショウクイは食べ物の少ない時期など樹の実(液果(ナッツとは異なり
果肉のある実))などを食べているのかもしれません。
ウソが、上旬~下旬にかけ確認されました。上旬にはウソ6羽が高
尾山頂にあるカエデに飛来し、その実を食べているのが見られました
。雄4羽、雌型(雌あるいは若い雄)2羽が、盛んにカエデの実をつい
ばんでいました。
また下旬にはウソの小群(2~3羽)が高尾山頂近くにあるモミやコ
ナラなどからなる尾根上の林に飛来し、そのうち1羽が地面におり、
何かをついばみました。ウソの飛去後ウソのいた地面をのぞくと、モ
ミの種鱗(球果を構成する種子の収まっている皿状のもの)や翼のと
れた種子などが散在していました。このような状況からウソはモミの
種子を食べていたと思われました。ウソの飛去後ウソのいた近くにあ
るコナラの大木?にヤマガラが飛来しました。ヤマガラは枝にとまると
何かを盛んについばみ始めました。写真に撮ってみると翼のないモミ
の種子を嘴にくわえているのが写っていました。このことからヤマガラ
がついばんでいたのは、モミの種子であることが分かりました。ウソ、
ヤマガラなど種子食の小鳥にとりモミの種子は、大切な冬の食べ物の
ようです。
・哺乳類(主なもの)
| 姿、フィールドサインなど | テン(糞)、ムササビ(食痕)など |
テンの糞が、上旬~下旬にかけ、前の沢やその枝谷、高尾山
頂近辺の尾根などで見られました。糞は、マタタビ科の種子、果
皮からなるものが多く、これらに加えムカデ、ハサミムシなど節足
動物の体の一部などの混じるもの、節足動物のみのものなどが
見られました。
ムササビの食痕が、上旬~下旬にかけ、前の沢、稜線、高尾
山頂近辺などで見られました。ムササビの食痕が見られたのは、
スギの花芽(雄花)が多く、この他ヒノキの花芽(雄花)、モミの
花芽(雄花)などでした。
・植物(主なもの)
| 草 | 実 | マルバノホロシノ(赤色)、ジャノヒゲ(種子(碧色))、ノササゲ(種子(黒紫色))など |
| 樹木 | 花 | 〔高木〕ヤブツバキ(赤色)など 〔低木〕アセビ(白色)など |
| 実 | 〔高木〕イイギリ(赤色)、ウラジロノキ(赤色)など 〔小高木〕カマツカ(赤色)、ゴンズイ(赤色(果皮)、黒色(種子))など 〔低木〕ヤブコウジ(赤色)、ミヤマシキミ(赤色)、ガマズミ(赤色)、ムラサキシキブ(淡紫色など 〔つる〕テイカカズラ(赤褐色)、サルナシ(緑褐色)など 〔寄生木〕ヤドリギ(淡黄色)など |
1月は、色鮮やかな実や種子をつけた草や樹木は少なくなってきまし
たが、花をつけた樹木などがわずかながら見られました。1月下旬時点
で確認できた色鮮やかな実や種子などをつけた草や樹木は下記の通り
です。
色鮮やかな実や種子などをつけた草は、ジャノヒゲが碧色の種子をつ
けた株がまだ見られ、ノササゲが黒紫色の種子をつけた株(つる)がま
だ見られました。
色鮮やかな実や種子などをつけた樹木については、高木ではイイギリ
、ウラジロノキなどが赤色の実をつけ、小高木ではゴンズイが黒色の種
子をつけていました。低木ではヤブコウジが赤色の実をつけていました
。また樹木に寄生した寄生木ではヤドリギが淡黄色の実をつけていまし
た。
花をつけた樹木については、高木ではヤブツバキが赤色の花をつけ
始め、低木ではアセビが白色の花をつけ始めました。